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ゆらのふ

ジョージ・オーウェル『1984年』の旧版と新版。早速だけど1ページ目の訳文を比較。

旧訳「足早に勝利マンションズのガラス・ドアからすべりこんでいった」
新訳「ヴィクトリー・マンションのガラス製のドアを素早く通り抜けた」

この小説が真に恐ろしいのは【ニュースピーク】と【二重思考】という、思考を制限するための素晴らしい発明であって、旧訳はそれを体現するように異様な組み合わせの言葉とルビを活用しているのです。ゆえに旧訳は読みにくいんだけど、文体そのものから滲み出る不気味な佇まいはまさに小説でしか表現できない貴重な体験です。一方で新訳は言葉が現代的で透明で読みやすいので物語を把握しやすいと思います。どちらがよいかは好みの問題だと思うけど、旧訳を読んだあとに新訳を読むと、ぼくは多少の物足りなさを感じてしまったのよね。